博士号取得


北大の学位記授与式に出席してきた。
この日は朝から雪で、北海道の卒業式らしい風景となった。


20年以上も前に文学部を卒業した日も雪が降っていたっけ。



休学期間を含めて約8年ものあいだ在籍していた北海道大学の大学院(国際広報メディア・観光学院)をようやく修了し、博士号の学位を取得することができた。



大学院の学位授与式は、学部生とは時間をずらして別会場(第2体育館)で開催。院生だけでも1500人ほどの修了者がいたようである。



本務校での仕事があるので、朝7時には出勤し、授業が始まるまでの約2時間を執筆時間に充ててきた。
先行研究の調査やデータ収集と分析など準備にも数年を要し、本格的に書き始めてから書き終えるまでに3年以上かかった。
それでも提出期限ギリギリまで修正を繰り返し、いまだに読み返すたびに直したい箇所が出てくる。



この数年間、常に頭の片隅で研究と博士論文のことを考えながら日々を過ごしていたので、何かに100%打ち込むということができなかった。
長い苦しみからようやく解放された気分である。



私は北大病院で生まれているし、
文学部時代も入れると約13年も「北大生」であった。
札幌で仕事をしている時も北大の近くに住んでいたので、
人生の大半を北大とともに過ごしてきた感じである。


朝、そんなことを考えながら
正門から1kmほど続く見慣れたメインストリートを歩いていると
妙にしみじみとした気分になった。


でも、まだ「卒業」するわけではない。
研究者としての人生はスタートしたばかりなのである。



とりあえず、帰路に着く前に札幌駅のバーで
一人で祝杯をあげたのだった。