初フルマラソン完走記


初めてのフルマラソンを無事完走!
出場したのは「洞爺湖ラソン」で、
洞爺湖をぐるっと一周するレース。


昨年秋に洞爺湖ラソンの話を聞いた時に
なぜか「出場してみよう!」と思い立ち、
この日に向けてトレーニングを重ねてきたのだった。


直前に足裏を痛めたり腰を痛めたりしたものの
なんとか痛みなく走れるまでに回復して前日夕方に洞爺入り。
泊まったのは、北海道人にはテレビCMでおなじみの
「宇宙一の大浴場」がある洞爺サンパレス (^ ^)
確かに風呂の種類が多くて広かったけれど、
日本一かどうかもアヤしい...


さて、ホテルの窓からあらためて洞爺湖を見渡すと──
大きい... (゜o゜;
本当に周囲は40km程度しかないのだろうか?
走って一周するなんて無謀にしか思えないのだった。



2月に出場した犬山ハーフマラソン
後半失速した原因が「燃料不足」だと判明していたので
その反省から、今回は朝食をしっかり食べた。
(前夜のバイキングも、もったいないのでかなり食べた...)
朝6時に、おにぎり3個とモチを2枚、煮玉子1個。
レース1時間前には、大福を1つ。


ポケットには、エネルギー補給用のジェルを4つと
BCAA(筋肉のエネルギー源となるアミノ酸)の粉末を2袋。


9:30にスタート。
食べ過ぎたせいか、スタート後の2kmほどは脇腹が痛くて
食べたものを吐き出しそうな気分...


温泉街の大きな道路から湖畔の田舎道に入ると
波が寄せる音、ヒバリやカッコウのさえずり、
そしてランナーたちの無言の足音だけしか聞こえず
暑すぎず寒すぎず、風もなく、
沿道には桜がまだ咲いていたり、農家で畑作業をしていたり
空気がキレイでのんびりしていて
とても気持ちのいいコースだった。
湖畔のために直線コースがほとんどなくて
起伏も多くて退屈しないコース。


10年くらい前に
このエリアの沿道風景を撮影する仕事で
この道を通ったことを思い出した。


Googleストリートビューより)


沿道に民家がほとんどないので応援者がいないのだが
5kmおきに給水ポイントがあり、
地元の高校生が元気な声で応援してくれる。
その声が何百メートルも手前から聞こえるので励まされる。


小出監督の指示通り(著書を読んだだけだが)、
前半は抑えめのペース(キロ5分30秒くらい)で入り
後半からスピードを上げる予定だったのだが、
周りのランナーにつられて(負けたくなくて)
キロ5分10秒前後のペースをキープ。
体調は悪くなく、足の痛みもないので、
このペースでいけるところまて行くしかない、と
小出監督の指示は無視することにした(笑)


15km地点から約10kmおきにジェルを摂取。
汗はほとんどかいていなかったが
給水ポイントでもスポーツドリンクを少しずつ飲んだ。


過去の体験記で悪評の高かった、
20km過ぎからダラダラと4kmほど続く上り坂も
(大高緑地で坂道トレーニングをしていたせいか)
特にキツくも苦しくもなく、それほど長くは感じなかった。
下りで勢いをつけて、30km地点まではきわめて快調。


ただし、
練習でも30kmまでしか走ったことがないので
ここから先が未知の世界である。
一流アスリートでも30km以降に失速したりするので
慎重にエネルギーを補給しながら走る。


身体が少し重くなってきている。
32kmの表示を見て「まだあと10kmもあるのか...」とゲンナリ
どうやら、肉体よりも精神的に疲れてきているようである。


ペースもキロ5分30秒前後に落ちてきた。
仕方がないので小休止して足のストレッチをすることに。
村上春樹はランニングに関する著書の中で
「それでも立ち止まらなかった」なんてカッコよく書いていたけれど
完走できなければ意味がないと思い、カッコいいセリフはあきらめた。
下半身の筋肉がバリバリに固くなっていて
膝の屈伸をするのにひどく時間がかかった。
それでも2回屈伸をしただけで、再び走り始めたらスピードが回復。
上半身がついていかなくて、後ろに倒れそうになったほどである(笑)


ここから、1キロ1キロがひどく長く感じるようになり、
ひたすら次のキロ表示の看板を探しながら走る。
湖畔のサンパレスがひどく遠くに見える。
景色を眺めている余裕はない。
周りのランナーにも歩き始めた人やストレッチをしている人が増えてくる。
誰かに追い越されても気にならなくなってきた。
メンタルが弱って競争心を失っているのだった。


それでも、どこにも痛みはないので、とりあえず完走はできそうだと確信。
目標のサブフォー(4時間以内)も達成できそうな気配。
その後は2kmおきにストレッチをして、足を回復させつつ走る。
遠くから聞こえてくる給水ポイントの高校生ボランティアの声援に励まされる。


40km手前で、この日最低のラップ(キロ6分台)に落ちて
ラソンの距離を42.195kmに定めた人を呪いはじめたものの、
残り2kmになって温泉街が近づいてくると
メンタルが復活してペースアップ。
ゴール直前では5、6人の集団を抜いてフィニッシュ。


ストップウォッチを止めるのを忘れていたが
ゴール地点の時計では3時間48分台だった。
(スタートまでのロスが1分くらいあるので、実質47分台)
某公務員ランナーのように倒れこむほど弱ってはおらず、
女子高生が肩にタオルをかけてくれたりドリンクをくれたりするので
ぜんぜん疲れてないような顔をしていた。
(実際、前回のハーフマラソンのゴール後の方がしんどかった)


温泉街と羊蹄山


この時点で、帰りのバス出発時間まで2時間半ほど。
本当はレース後も一泊して祝杯を上げたかったのだが
翌日に授業があるため移動せねばならず
急いでサンパレスに戻って温泉で汗を流し、
缶ビールを1本だけ飲んでからバスで新千歳空港まで移動。
このバスの2時間が肉体的につらかった (> <)
空港では味噌ラーメンとソフトクリームを食べて北海道に別れを告げ、23時半に自宅に着いた。


レースが終わってから、バタバタしていたためか
完走の達成感がいまだに湧いてこないのだった...


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