下呂温泉でポストモダンについて考える


日本三名泉の一つ、下呂温泉岐阜県)に行ってきた。
名前は知っていたが訪れるのは初めてである。
泊まったのは水明館という老舗ホテル。



下呂というのは
あまりトレンディ(死語)な場所ではないような印象だったけれど
思ったよりも若者のグループが多かったのにびっくり。
日本人は温泉が好きなんだなぁ、と再確認。


温泉街をぶらぶらと歩いてみたところ、
廃業している旅館/ホテル/飲食店が目立つ。
こういう「昭和な」スタイルの観光地ではよく見かける光景である。



北海道の多くの観光地でもそうだけれど、
団体客が貸し切りバスでどっさり訪れて
大宴会場で飲んだり食べたり歌ったり踊ったり...という
昭和の黄金期はすでに去ってしまい、
今は個人客/グループ客が
美味しい料理やお湯の質などをウェブで検索し、
自分の車に乗ったり電車を利用したりしながら
思い思いのスタイルで気まぐれに旅行を楽しむ時代である。


いわば「観光のポストモダン」の時代。


旅行客の変化に対応できていない、
あるいは変化に気づいてすらいないような
ビジネスをしているところは次々と姿を消していく。
(受験生の変化に気づいていない大学の場合も同じだったり...)


日本人は昔も今も変わらず温泉が好きなのだから
ビジネスのやり方しだいでは
まだまだチャンスはあるはずなのだけれどなぁ....などと
ホテルのロビーに飾られていた昭和初期の水明館の写真
(団体客の宴会風景や、駅からぞろぞろと宿に向かう人々の群れなど)
を見ながら、ぼんやりと考えていたのだった。