樺太の話を聞く会
かつて日本領だった樺太(現サハリン)には
戦後すぐに引き揚げてきた人たちの他に
様々な事情からサハリンに残らざるをえなくなり、
その後40年以上ものあいだ、
ソ連の「鉄のカーテン」の向こう側で
日本人であることを隠して暮らし続けた人たちがいた。
私たちの多くはその事実を知らない。
(政府も公式には存在を認めていなかった)
最近になって帰国した方もおり、
その人たちから話を聞きアーカイブ化しようという
プロジェクトの第1弾イベントであった。
当初は、聞き取り作業にあたる学生たちのための
事前学習会のようなイメージだったのだけれど、
地元紙に記事が載ったために
関心のある市民の方が大勢集まった。
狭い部屋を予約していたので
席が足りなくて入れない人もいたくらいである。
稚内市民の、樺太に関する関心の高さを実感。
(市内にも引揚者は多いのだ)
参加者からの貴重な情報提供もあり、
さっそく映像記録のプロジェクトを始動することとなった。
終戦時の沖縄や満州の出来事は比較的知られているけれど
ほとんど知られていない樺太の悲劇を
多くの人たちに伝えることができたらと思っている。