仕事とプライベートの境界


予備校講師をしていた20代の頃は
年間350日くらい仕事をしていた。


予備校を掛け持ちしていた関係で
週に7日間授業を担当していたし、
(1日の授業数はバラバラだけれど)
夏休みと冬休みはそれぞれ夏期講習/冬期講習があり、
わずかな休日はテキストの予習など授業準備でつぶれてしまう。


テレビや雑誌は授業の「ネタ」にするために
見たり読んだりするものだったし、
とにかくいつも授業のことばかり考えていた。
そういう意味では休日も「休める日」ではなかったのである。


大学教員となった今も、
そういう状況はあまり変わっていない。


特に私の場合、「メディア」が研究テーマなので
なんとなく見ているテレビ番組やCMも
暇つぶしに読んでいる新聞や雑誌も
重要な研究テーマにつながることがあるので
気が抜けない。


ブログもミクシィツイッター
趣味や暇つぶしでやっている時であっても
興味深いコンテンツを見つけた途端に
すぐに仕事/研究の一部になってしまう。


このブログ記事は今度の授業で使えるな、とか
ツイッターのこの展開は保存しておいて教材にしようとか
すぐに「ネタ」にしようと考えてしまう。


そういう意味では、
仕事・研究とプライベートの境界が
ひどく曖昧なのである。


疲れると言えば疲れるし、
面白いと言えば面白い。


ここ数年は、
休日にはなるべく仕事や研究のことは考えず
思い切って遊ぼうと思っているのだけれど
(このブログでもそんな体験ばかり書いている)
「観光」とか「広報」なども研究テーマの一部なので
どこかに旅行に行っても
その土地の観光戦略とかパンフレットの内容とか、
ウェブサイトの作り方とかが、ついつい気になってしまう。


すぐに「これは写真を撮ってブログに載せよう」
などと考えてしまうし...


そんなわけで
仕事から完全に離れられる時間はほとんどないのだけれど
(どこに行っても常にメールチェックをしてるし)
それでも私は結局
学生たちを相手にするのが好きみたいなので
ぜんぜん辛くはないのであった。