『カンガルー日和』日和


今日で「現代と教養I」という授業が終了した。
一冊の本をじっくり読むための授業で
私のクラスでは
『しがみつかない生き方』(香山リカ著)を読みながら
いろいろな価値観と生き方について話し合った。


来年度からカリキュラムの一部が変わり
この「現代と教養I」という授業自体もなくなるので
そういう意味でも最後の授業となった。


前回の授業ですでにテキストは読み終えていたので
最後の授業で何を読もうかと考えた結果、
私が高3か大学1年のときに読んで好きになり
今でも強い印象が残っている作品を読むことにした。


4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
という村上春樹の初期の短編。
(『カンガルー日和』収録)


私が初めて村上作品に触れたのが『カンガルー日和』で
斬新なタイトルと素敵な装幀にひかれて買った本だった。



最近の村上春樹のインタビューを読んでいたら
この「100パーセントの女の子」は、
世界各国の大学の授業でテキストとして使われており
世界中の若者のあいだで人気が高い作品らしい。


久しぶりに読み返してみても
30年前に書かれたことをまったく感じさせない。
作品に対する私の感じ方は
年齢のせいでずいぶん変わってしまったけれど...


ちなみに
おそらく「カンガルー日和」というタイトルは
ライ麦畑でつかまえて』のサリンジャーが書いた
不思議な短編「バナナフィッシュ日和」を意識したものだろう。


さらにちなみに、
私が好きだった吉田秋生という漫画家(女性)が
おそらく「バナナフィッシュ」にインスパイアされて
BANANA FISH』という名作を描いている。


どちらもずいぶん前に読んだきりなので
久しぶりに読み返してみたくなった。


なにしろ今日は天気が良くて、絶好の読書日和なのである。
(残念ながら午後から会議だけど...)