恋せよ少女(おとめ)


新入生歓迎委員の学生が研究室に来て
新入生に配る冊子に教員紹介を載せるので
自己紹介を書いて欲しいと、用紙を置いていった。


「メッセージ」という項目があって、
何を書こうかと考えたところ
パッと頭に浮かんできたのが
「いのち短し 恋せよ少女(おとめ)」
というフレーズ。


なぜそんな言葉を思いついたのかはわからない。
ただ、ふと思い出したのだ。


調べてみたら、『ゴンドラの歌』の歌詞の一節だと判明。
黒澤明の映画『生きる』のテーマ曲としても使われた、
1915(大正11)年(!)の曲である。
この映画はかなり前に見たことがあるのだけれど
なぜそのテーマ曲の歌詞なんかを覚えているのか、
自分でも不思議である。


結局、その歌の4番の歌詞をメッセージとして書いた。
改めて読むと、なかなか良い詩なのである。


 いのち短し 恋せよ少女(おとめ)
 黒髪の色 褪せぬ間に
 心のほのお 消えぬ間に
 今日はふたたび 来ぬものを


 (作詞:吉井 勇)


ここでは初音ミクバージョンで紹介することにする(笑)



見たことさえ忘れていたけれど
この『生きる』という映画が何年(十数年)ものあいだ
私の心の奥で、ずっと生き続けていたことがわかった。
いい映画というのは、そういうものなのだ。