デジタル・ネイティブな研究生活


私が研究活動を始めたのは2000年を過ぎてからであり
当時はすでにインターネット常時接続環境にあったので
研究者としてはいわゆる「デジタル・ネイティブ」なのである。


注)デジタル・ネイティブ:生まれた時からインターネットや
  パソコンのある生活環境の中で育ってきた世代。
 (Wikipediaより)


例えば論文を書く際の資料集めでは、
 1. Amazonで参考文献を探す
 2. Amazonのオススメ(この本を買った人はこんな本も買っています)で
  芋づる式に関連書籍を発見
 3. 関連書籍の著者名および書評をウェブでチェック
 4. 役立ちそうな図書をまとめて発注(2、3日で届く)
 5. すでに絶版となった古書はマーケットプレイスで購入(2、3日で届く)
 6. 論文の場合はGoogleの論文検索か、CiNii(論文情報サイト)で検索
 7. 本文のPDFファイル(一部有料)をダウンロード(一瞬でできる)
というような作業によって、パソコンあるいは携帯電話を使って
論文に必要な参考文献があっという間に何十冊も入手できてしまう。


インターネットのなかった時代であれば、
図書館に通い詰めたり、大きな書店や古書店を探し歩いたり
同じ文献をそろえるのに数ヶ月は要しただろう。
実際に私がかつて英文科の学生だった頃、
洋書の購入に3ヶ月ほどかかるのが普通だった。
(おまけに、数ヶ月たってから書店の人に
「入手できませんでした」と言われたことも......)


研究活動には便利な時代になった。


だからといって、質の高い論文が書けるようになったのかというと
それはまた別の話なのであるが。